![]() Anode(アノード)とCathode(カソード)と陽極(正極)と陰極(負極)名前: 小川 邦久 リンク: http://kunisan.jp/ 日付: 2012年8月28日 ![]() ![]() しかし先日、リチウム二次電池についての文章を翻訳する機会があって、英文で「リチウム金属酸をcathodeに使う…」と書いてあるのを、そのまま「リチウム金属酸を陰極に使う…」と訳してしまいました。 それから数日後、この文章を読みなおして気づいたのが、「確かリチウム単体が陰極で、リチウム金属酸は陽極に使われるはず…」ということでした。実際にリチウム金属酸は陽極に使われるため、翻訳文も修正するようにしました。 英和辞典でcathodeを調べてみると、「(電解槽・電子管の)陰極、(蓄電池などの)陽極」と出てきます。anodeはその逆で「(電解槽・電子管の)陽極、(蓄電池などの)陰極」になります。翻訳や通訳でanodeとcathode、または陰極と陽極を間違えると、全く逆の意味になってしまうため、どちらの単語を選ぶか細心の注意が必要になりますが、そもそも「何でこのような言葉のズレが出てしまうのか?」と疑問に思いました。 理化学辞典で詳細を調べてみると、日本語の「陽極(正極)」と「陰極(負極)」は、電位の高い方を陽極、電位の低い方を陰極と定義しています。つまり電流の流れが右から左(電子の流れが左から右)だと、右側の電極が陽極、左側の電極は陰極ということになります。前述の放電灯でも電子が出ている方が陰極となり、リチウム二次電池でも、リチウム単体が溶けて電子を電池の外に放出する側が陰極となっていて、辻褄が合います。 一方、英語のcathodeとanodeは、例えば電解系の場合、電極から溶液に向かって正電荷が流れる方をanode、溶液から電極に向かって正電荷が流れる方をcathodeと定義しています。つまり、前述のリチウム二次電池で、リチウム単体が溶けて陽イオンとなるのがanode=陰極で、逆側がcathode=陽極となります。 電池の場合にはanodeが陰極で、cathodeが陽極になるのですが、電気分解の時にはanodeが陽極で、cathodeが陰極になります。例えば、水の電気分解の場合には、電極から電子を受渡して水素が発生する側の電極が陰極になりますが、溶液中の水素(陽)イオンがこの電極に向かうことから、上記の定義通りcathodeということになります。 放電灯については正電荷ではなく、反対の負電荷の流れを考えます。陰極から媒体に向かって電子(負電荷)が流れるため、陰極がcathode、逆側では媒体から陽極に向かって電子が流れるため、陽極がanodeになります。 いちいち定義の話まで持って行きましたが、翻訳や通訳の度に色々考えるのは面倒なので、「基本はanode(アノード)が陽極(正極)で、cathode(カソード)が陰極(負極)、ただし電池は逆」という覚え方で行こうと決めました。ただ、似たような言葉でanion(アニオン)が陰イオンで、cation(カチオン)が陽イオンと、語感的に逆のものがあったりして、この辺りの翻訳、通訳は結構ややこしかったりします。 英語学習関連記事(リンク一覧): TOEIC L&R IPテスト(オンライン方式) / ENGLISH VOCABULARY IN USE - Pre-intermediate and Intermediate / ENGLISH VOCABULARY IN USE - Upper-Intermediate / ENGLISH PHRASAL VERBS IN USE (英語の句動詞) / HiNative - 外国語学習者向けSNS風Q&Aサービス / ...(記事連続表示) 関連カテゴリー: 英語学習関連記事, 科学・技術関連記事
コメント:Anode(アノード)とCathode(カソード)と陽極(正極)と陰極(負極) 名前: Shira リンク: http://shira-j.hatenablog.com/ 日付: 2018年6月29日 ![]() こんにちは。
昔にアマチュア無線を楽しんでいたことから、小川さんと同様に cathode = 陰極 と思っていました(電子管の回路図から)。 リチウムイオン電池素材の通訳をするときに資料を見たら陰極材が anode になっていて 「間違ってるかな?」 と思って調べてみて定義に行きつき、やはり機械的に 「二次電池の陰極はアノード」 と訳しています。 ![]() 最近の記事: 血液検査で久しぶりに全て異常なし / やぶはら高原スキー場 / 富士見パノラマリゾート(2023) / YEBISU BAR エミオ石神井公園店 / レーザーゲーム - プチコン4で一画面プログラムのシンプルシューティング / クラフトビール/ペールエール飲み比べ(インドの青鬼他) / ワンパクとウェーブ - プチコン4で1980年代のパソコン風な雰囲気のゲーム / TOEIC L&R IPテスト(オンライン方式) / あけましておめでとうございます。(2023) / 3年ぶりの皇居ラン
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