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ティルト・ザ・ランド(TILT THE LAND) - プチコン4でキャメルトライ風ゲーム

名前: 小川 邦久 リンク: https://kunisan.jp 日付: 2020年7月23日
ティルト・ザ・ランド(TILT THE LAND) - プチコン4でキャメルトライ風ゲーム今から30年ほど前、ゲームセンターに「キャメルトライ」というゲームがありました。ボールをゴールまで誘導するというシンプルなルールなのですが、操作が一風変わっていて、ブロック崩し系のゲームに使われるようなダイヤルを使って背景を回し、重力で下に落ちていくボールをうまくコントールするというものでした。そのキャメルトライをモチーフにして作ったゲームが、今回公開した「ティルト・ザ・ランド(TILT THE LAND)」です。

タイトル: ティルト・ザ・ランド(TILT THE LAND)
公開キー: 4DKK322NV




制作のきっかけとなったのが、「普段使っている衝突演算のプログラムを使えば、キャメルトライ風の動きを出すのもそれほど難しくないのでは」と思いついた事でした。実際にサンプルプログラムを作ってみると、特に大きな問題もなく、ほぼ思ったような動きになってくれました。基本はボールの中心に合わせて「背景画像の中心」を常に移動させて(SPHOMEで指定)、この「背景画像の中心」を中心として画像を回転させるだけです(SPROTで回転)。重力のベクトルは回転角から三角関数で計算、当たり判定はボールが円形状なために、普段の衝突演算プログラムのまま特別な計算式を加えることなく動いています。

当初、操作はスティックを使う形だったのですが、これではダイヤルのような素早い動きには対応できません。これについては、Twitterのフォロワーさんからいただいたアイデアで、Joy-Conを傾ける形にしてみたところ、違和感のない操作ができたのでこれをそのまま採用しています。ただ、Switchの携帯モードでも遊べるように、スティック操作も可能なままにしています(ジャイロ機能オフも可能)。

背景画像はテキスト画面(BG)を使っているように見えますが、いつもの衝突演算のプログラムで当たり判定を行うため、グラフィック画面の方で描画しています。背景画像は基本的にプチコン4のプリセットのキャラを用いており、各面の構成はプチコン4標準の画像作成ソフトであるGAHAKUを使って行いました。ただ、GAHAKUでは画像を90度傾けるような機能がないため、そのままではキャラを横に倒した状態で配置するのに難がありましたが、予め特定の画像を90度傾けられるプログラムを作成して対処するようにしました。

唯一、4面だけはSmileBASICのグラフィック命令から円を多重に描いたものをベースにしています。丸、三角形、四角形、五角形、六角形のオブジェクトは、3月に作成した「BONRU」のプログラムの一部を使って描写したものです。これも細かいところはGAHAKUで編集して面を作成しています。

4面と6面では大きな黄色のボール(通称BONRU)を登場させてプレイヤーの邪魔をします。普段使っている衝突演算のプログラムでは、自分以外の動くキャラを設置することも難しくなく、「せっかくなので」ということで2キャラ分だけ登場させることにしました。

このゲームを作っていく中で難しかったのが、「壁抜け」が多数発生したことです。問題の根本は、衝突演算のグラフィック面の当たり判定が2ヵ所以上同時にあると、不正確な計算値が出てしまう可能性がある所です。この部分をそのままにしていたために、例えば障害物と地面が接しているところにボールが斜めに触れた場合に、ボールがのめり込んでしまう現象が発生することがありました。これについては、のめり込みが発生しそうな座標を特定して、そこにボールが入ったらボールの座標を強制的に元に戻すという処理をしています。この処理がゲーム全体で20ヵ所程度あって、プログラムがつぎはぎのようになってしまっています。

ちなみにこのゲームで使用している曲は、もともと高校時代にX68000で作成したものです。この曲のメロディ部をそのままピックアップして、それ以外のパートについて再度アレンジしています。シンプルで短い曲ではありますが、「たまにはプチコン4プリセットの以外の曲を使おう」ということで採用してみました。

全6面しかないこともあり、慣れると5~6分で全面クリアできてしまいますが、独特な雰囲気を最初から最後まで味わってもらえればということで、最終面クリアの難易度はやや低めに設定しています。最終面クリア時の残タイムでランクがS、A、B、Cの4段階に分かれるようにして、タイムトライアルの要素も追加しています。

プログラムは以下の通りです。



余談ではありますが、「~風ゲーム」を作る時には、著作権に対する配慮が必要です。私自身、法律にあまり詳しくないこともあり、今回作成したティルト・ザ・ランドについて、著作権の観点からネットで情報を調べたり、Twitter上でそのあたりに詳しい方から助言をいただいたりしました。まとめると…、

1. ゲームで著作権法に触れるのは、画像や音楽やプログラムソースをそのままの形で流用した場合など。
2. 一方、ゲームのルール自体は著作権で保護される対象ではない。
3. 今回作成したティルト・ザ・ランドについては、画像はプチコン4のプリセットまたは自作、音楽は自作のもので、いずれもキャメルトライとは全く異なる。また画面構成も異なり、細かい所でルールも異なり、多数オリジナル要素も加えられていて、プログラムも全く違うものなので、著作権については問題ないという判断。

ただ、一つ言えるのは、キャメルトライ無しではこのゲームは生まれていなかったということです。ティルト・ザ・ランドは「キャメルトライインスパイア」のゲームということでは間違いありません。





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