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『職業としての小説家』 - 村上春樹著

名前: 小川 邦久 リンク: http://kunisan.jp/ 日付: 2015年9月21日
『職業としての小説家』 - 村上春樹著私が村上春樹の本を読むようになったのは大学3年でした。大学に入学するまで小説をまともに読んだことは一度もなかったのですが、大学3年のある時期に太宰治の『人間失格』、『斜陽』から小説を読み始めるようになりました。その後、「村上春樹の『ノルウェイの森』を読んでみよう」となんとなく思ったのがきっかけで、それから当時発行されていた村上春樹の小説とエッセーを全て読みきってしまう程、すっかりハマってしまいました。中でも『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の世界観に大変な衝撃を受けたのを、今でも記憶しています。

私は何かと「やりたがり症」な所があって、自分でも色々な文章を書いてみようと思い、大学ノートにエッセイっぽい文章や超短編小説っぽいものを書き綴ってみたこともありました。そのノートは数ヶ月かけて全ページ埋めたのですが、「人に見せられる代物ではない」と考えたこともあり、後の英語学習を兼ねたカナダ(3.5ヶ月間の語学留学)とオーストラリア(7ヶ月間のワーキングホリデー)の滞在を終えた直後に廃棄してしまいました。今考えると、大変勿体ないことをしたものです…。

その英語学習も、もとはと言えば村上春樹のアメリカ滞在エッセイ『やがて哀しき外国語』を読んで、「英語が話せるとかっこいいなあ」と思ったことからスタートしました。英語を使って何かをしたいというような、明確な目標は全くなかったのですが、大学4年の夏休みに突然始めた英語学習は、20年以上経った今でも続いています。

あと、私は2011年から週末のランニングを開始しましたが、これのきっかけは村上春樹の著書とは直接関係なく、基本的には「冬のスキーを楽しむための体力作り」です。ただ、エッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』は、日本語だけでなく英語翻訳版(Kindle版)も購入してしまう程お気に入りの一冊です。

そんなこんなで、私の人生は村上春樹からかなり大きな影響を受けていると言えます。別に崇拝しているとか、そういった類のものではありませんが、私の頭の中に何人かいる「この人は凄すぎる」という人の中でも、トップランクに位置しているのは間違いありません。

その村上春樹が書いた『職業としての小説家』ですが、ちょっと前に紀伊國屋書店が独占販売的な事をやるということで話題になりました。確か『走ることについて語るときに僕の語ること』の中で、電子媒体としての音楽に否定的な記述があったのと、どこかのニュース記事か何かで電子書籍にも反対の立場のような事が書かれていたのを記憶していて(記憶が正しいか定かではありませんが)、「今回もその流れなのかな」と思ってしまいました。

私は紙の本よりも電子書籍の方が好きなのですが、『職業としての小説家』を読むと、あまり紙媒体、電子媒体にこだわらないような内容の事が書いてありました。大体、英語版については古いものから新しい物まで、長編小説についても電子書籍版がそろっています(日本語では長編小説の電子書籍版は、今のところ一冊もありません)。もしかしたら、日本語版の方は出版会社側の事情によるものだけなのではないかと勘ぐってしまいます。

内容としては、以前別のエッセイで読んだ内容と重複しているような所もありますが(本書内でもその事に触れてます)、いずれにしても村上春樹が小説家になったきっかけとか、長編小説の書き進め方とか、色々と興味深いこともあって、それなりのボリュームの本でありながら、あっという間に読み終わってしまいました。私も小さい頃にパソコンでゲームを作ったり、今でもホームページやブログという形でWebツールや文章を公開したりすることがありますが、村上春樹と自分とではレベルに「天と地」程の差があるにしても、「好きだから作品を作り続けられる」という点は、いずれにしてもとても重要だと感じました。

そういえば、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』をまだ読んでないので、近いうちに読んでみようと思います。





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