ケニア・サファリのススメ

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ケニア旅行記
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ナイロビ到着 その①

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 空港のゲートを出ると、すぐにタクシー乗り場があった。歩いて数秒ほどの距離だったのに、その間2人の男に声を掛けられた。「市内まで800シリング(約1,248円、1ケニアシリング=1.56円で計算)だ」と言われたが、恐らく悪名高き白タクだろう。ケニア入国したてでいきなりのぼったくられるのだけは避けたいので、1,100シリング(約1,716円)と少々値が張るものの、ナイロビの空港で一番信頼のおけるロンドンタクシーに乗ることにした。このロンドンタクシーは名前の通り、イギリスのロンドン市内を走っている黒塗りのタクシーと同様の色と形をしていて一目でわかる。ゲートを出てすぐの正面出口に停まっていたので、そのまま急いで後部座席に乗り込んだ。

 車がゆっくりと走り出すと、突然外にいた男が助手席のドアを開けて乗り込んできた。しばらく黙っていたが、それから後ろを振り向いて、今晩どこに泊まるのかと質問してきた。
「今日は市内のEmbassy Hotelというところに泊まって、明日からサファリ・ツアーに出る予定なんです」
 男はちょっとがっかりとした様子を見せると、今度はどこのツアー会社かと質問してきた。バッグからガイドブックを取り出して、「ここです」と指差して見せたところ、「うちの会社もこの本に載っている」と、ページをめくって「Planet Safari Adventure」という別のツアー会社の欄を指差した。そうか、このツアー会社から来たのか、とその時は思った。
 この時点ではまだ予約を入れているわけではなかったので、とりあえずどんなツアーを主催しているのかと聞いてみたところ、こちらで考えていたものと同じようなものがあることが分かった。もしかしたら価格が安いかも、と思い、もともと考えていたツアー会社の価格表をバッグから取り出して男に見せた。



「6日間ロッジ宿泊のサファリ・ツアーでUS$1,000(約121,000円、US$1=121円で計算)と書いてあるけど、これはピーク期の価格なので雨季の今はUS$800(約96,800円)ぐらいだと思う。これより安くなるなら考えてもいい」
「それでは8日間でUS$1,000というのはどうだ?」
 男はポケットからメモ用紙とペンを取り出して、数字を書き並べながら説明した。
「本当なら一日US$140、8日間で$1,120するのだが、特別に値引いてのUS$1,000だ。あと、US$120(約14,521円)プラスでナイロビのプライベート市内観光ツアーもやる。最終日は車で空港まで送る」
 市内観光でUS$120はかなり高いが、ナイロビの治安は相当悪いと聞いているので、プライベートの市内観光をやってもらえるなら心強いかもしれない。さらに空港までの送迎付きなら面倒くさくない。
 男の名前はビッグ・ヘンリー。「とりあえずうちの事務所に来てみないか」ということで、そのままツアー会社の事務所に向かうことにした。ガイドブックに載っているようなツアー会社なら多分間違いはないだろう。

[ ナイロビ市街 ]
 道中、ビッグ・ヘンリーに「Embassy Hotelで2泊する予定」ということを伝えたら、「US$60(約7,260円)払ってもらえれば、宿泊代の支払いとホテルの手続きも含めて全部やる。面倒くさくないだろう?」と言ってきた。
「2泊で2,000シリング(約3,120円)だから、それは高すぎるでしょう」
「ケニアでは値段がコロコロ変わるんだ。もし値段を釣り上げられても、ホテルのオーナーに話をつけてあげるから安心してくれ」
「2日前に日本からホテルに電話したら『1泊1000シリングだ』と言ってたので、まさかそんなことはないでしょ。別に支払いぐらいは自分でやりますよ」
「それだったら仕方ないな」
 怪しい人だな、と思ったが、これもガイドブックに載っているケニア人の「ダメもと」精神の一つなのかな、とも考えた。何しろケニア入国後にはじめて会った人なので、比較のしようがない。

 ツアー会社の事務所のあるビルに到着した。建物の中が薄暗くて少々不安だったものの、エレベータ横のフロア案内板に「9F Planet Safari Adventure」と書いてある。とりあえず変なところに連れ込まれたわけではないようだ。

 エレベーターは8階までしか上がらず、9階へは階段で上った。入り口の鉄格子を開けてもらい、ビッグ・ヘンリーと事務所に入った。
 事務所内はいたって普通の感じで、取り立てて変わったものはない。ビッグ・ヘンリーが事務所の販売担当者のグラディスとスワヒリ語で話して、ツアーの予約状況を見ていた。車とドライバーの人件費でコストがかかるため、最小遂行人数に達していない場合にはツアーが主催されないのだ。しばらく話し合ったあと結論が出て、グラディスが説明してくれた。
「残念だけど明日、あさっては予約ゼロ。まだツアーができるかどうかわからないの。今日は3人予約が入っているけど、まだ午前8時なので出発は1時間半後。もしよかったらこれに参加する?」
 こちらとしては日にちはどうにでもなるので、とにかく確実な方がいい。即、参加することに決めた。ただ日本からEmbassy Hotelに予約を入れてしまったので、グラディスに電話でキャンセルをしてもらうように頼んでおいた。
[ Planet Safariの事務所 ]

 あとは話が早い。ビッグ・ヘンリーにサファリ8日間と市内観光ツアーの分の合計US$1,120を渡して、手書きの受取書をもらった。それからグラディスから渡されたサファリの正式契約書にサインをして領収書をもらった。市内観光についてはビッグ・ヘンリーのプライベートで行うということで、領収書にはサファリのUS$1,000のみ記述されていた。実はこの時にビッグ・ヘンリーのトリックに気づくべきだったのだが…。

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