ケニア・サファリのススメ

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ケニア旅行記
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マサイ族の村を訪ねて

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 3日目の朝もゲーム・ドライブからスタート。まずはハイエナがトピとガゼルを追っているところを発見。ハイエナというとライオンの食べ残しを処理するイメージしかなかったが、たまには自分で狩りをするそうだ。

 それからインパラの群れに遭遇。インパラはメスの群れにオスが1頭のみのハーレムを形成する。オスの方はオスのみでグループを形成して、次のハーレムを狙うのだ。
 ニーナが「オスとメスが同数なら分け合えばいいのに」と言っていたが、インパラ界に人間のルールを持ち込むことはもちろん出来ない。ちなみに同じアンテロープ(インパラ、トピ、ガゼルなど鹿のような外観で角を持つ草食動物の総称)でも、種類によっては一夫一婦だったりオスメス混合のグループだったりもする。
[ インパラのハーレム ]

[ 岩の上で休むライオン ]
 続いてライオンの群れが岩の上で休んでいるところを発見した。周りからも目立つところにいるため、他のサファリ・カーも次々と集まってきて、狭い小道で交通渋滞を起こしてしまった。岩の上から周りを見渡すような構図で、まさしく百獣の王ライオンという雰囲気がよく出ている。
 確かに見た目は格好いいのだが、本当は朝の冷え込みから体を温めるため、日向ぼっこをしているだけなのだ。

 早朝のゲーム・ドライブが終了し、キャンプ場に戻ってきた。ここのベンチでのんびりと本を読んでいると、マサイ族の人がカセットプレーヤーを片手にやってきた。音が割れているが、マイケル・ジャクソンのようだ。実は近くにマサイ族の村があって、このキャンプ場はその人たちの手によって運営されている。
 マサイ人の名前はピーター。写真を取らせて欲しいと言ったら、快くオーケーを出してくれた。「マサイの人は写真を撮られるのを嫌がる」と聞いていたが、ピーターはわざわざマサイの刀を手に持って、ポーズまでしてくれた。「その写真を送って欲しい」と言われたのでキャンプ場の住所を書いてもらったら、スラスラと英語で書いてくれた。

 ケニア各地に点々とあるマサイ族の村の中でも、ここのように観光地にあるところでは英語の通用度はかなり高い。逆に観光地から離れた村ではスワヒリ語さえも通じず、マサイ語でしか会話をすることが出来ないらしい。これにはケニア国内の就学率も絡んでくる。観光地から離れた村ではお金での収入というのはほとんどなく、農業でほぼ自給自足で生活しているため、お金を払ってまで子供に教育を受けさせることが出来ないのだ。
[ マサイ族のピーター ]

 そのマサイ族の村を訪ねることになった。車で5分ほど走ると、牛糞でできた家が立ち並ぶのが見えた。何年か前にテレビでは見たことがあったが、まさか自分が訪ねることになるとは思わなかった。ただ、周りを見てみるとコンクリート造りの住宅もちゃんとある。こちらの牛糞の家の方は観光客向けなのかなとも思ったが、煙が立ち上っていたので一応ちゃんと生活しているようだ。

[ 左から子供、長老、酋長 ]
 車を降りてすぐ、ガイド役である酋長に500シリング(約780円)の入村料を支払った。このお金は子供の教育費に充てられるとのことだ。こういった話はどこまで信用していいのかわからないが、もし本当であるなら光栄なことだ。

 牛糞の家の集落は想像していたよりもかなり匂いがきつかった。木の骨組みに壁、天井とも牛糞が塗りつけられている形だが、雨季の為か外壁の乾きが悪い。家と家の間の小道も牛糞が敷いてあるが、この乾きも悪い。逆に家に入ってしまうと、煙でいぶされていることもあって、匂いをほとんど感じない。酋長によると、家の建造は100%女性の仕事であるらしい。

 集落を出ると、小さなヤギが100頭ほどいた。この村ではヤギを飼育して生活しているとの説明だったが、人の数に対して明らかにヤギが少ないので、きっと観光収入に頼る割合の方が大きいのだと思う。

 家の中から外まで一通り見せてもらうと、村の一角のお土産コーナーに連れて行かされた。ケニア国内の他のお土産屋同様、木の彫り物の仮面、ビーズのネックレス、銅のブレスレットなどが置いてある。まだ帰国まで日にちがあり、正直あまり気が進まなかったが、結構楽しませてもらったこともあるので、小型の仮面を2枚と木彫りのコップを3個買うことにした。合計2,400シリング(約3,744円)のところ1,800シリング(約2,808円)までまけてもらったが、少々荒削りな仕上がりから見て、これでもまだちょっと高いぐらいだ。この利益分が少しでも子供の教育費に充てられればいいのだが。

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