ケニア・サファリのススメ

サイト内検索



ケニア旅行記
ページ
: 1-1
,3
,4
,5
,6
,7
,8
,9
ナターシャのマサイ語講座

スポンサードリンク


 マサイ・マラ最終日。今日はキャンプ場のオーナー、マサイ族のサラーシュとカナダ人の奥さんナターシャがナイロビに用事があるとのことで、一緒に車に乗って行くことになった。ナターシャは2年前にケニアを旅行している時に、このキャンプ場でサラーシュと出会って結婚した。9ヶ月前には娘のアケーシャを出産。「この前3本目の歯が生えてきた」と元気に育っている。3日前に始めてナターシャを見た時、「子連でケニアにキャンプ旅行?」と思い込んでいたが、最終日に話す機会ができて自分の勘違いがわかった。

 午前中はゲーム・ドライブ。3日目までにマサイ・マラのほとんどの動物を見てしまったため、流すようにしてライオン、ハゲワシなどを観察した。
 移動の間、ナターシャにマサイ語を教えてもらった。「1(ナボ/nabo)」「2(アレ/are)」「3(ウニ/uni)」…、と基本的にカタカナ発音なので、日本人にとっては楽だ。ただ発音が出来たとしても、単語を覚えないことには話せない。挨拶からいろいろと教わったものの、数分経つとどうしても忘れてしまう。

[ サラーシュ・ナターシャ夫妻 ]
「ゲートの管理事務所ところでマサイのお土産商が来るでしょ。いらない場合には『マヨ(mayo)』と答えれば相手はびっくりするよ」
 マサイ・マラの出口ゲートに着き、マイナが管理事務所に行っている間、予想通りマサイの商人たちがお土産品を持って車に近寄ってきた。「これ安いよ」「たった1,000シリング」と英語で無表情に話し掛けてくる。
 早速実践の場が来た。首を振って「マヨ」と言ってみる。すると、窓の外にいた2人が顔を見合わせた。ちょっとは効果があったようだが、やはり怯まずに窓から手を入れてきて、さらなる売り込みをかけてきた。
 ナターシャにもお土産を売り込もうと、別の商人がビーズのネックレスを差し出してきた。ナターシャは外観だけ見ると観光客に見えるからだろう。ナターシャはマサイ語で何かを話すと、今まで無表情だったマサイの商人が急ににこっとして、お土産品を差し出すのをやめた。一言二言言葉を交わし、商人は開いた窓から手を入れて、ナターシャの膝元にいるアケーシャのほほを触った。こんなに表情豊かなマサイの人を見るのは始めてだった。

 道中のレストランで昼食を取り、ここでサラーシュ・ナターシャ夫妻とアケーシャ、エンジニアのフランシス、神戸のトモさんとお別れとなった。5人はナイロビから迎えに来たカローラに乗り込み、さらにメキシコからの旅行者を1人加え、明らかに定員オーバーながらもその場をにこやかに去って行った。
 その後はマイナの弟ベナルドが助手席に座り、ニーナ、ステラと合わせて5人で次の目的地ナクル湖に向かうことになった。ちなみにPlanet Safariは家族経営のような形で、初日に事務所にいたグラディスもマイナの妹である。ちなみに兄弟は全部で9人とのこと。

 途中ガソリンスタンドに寄って燃料を補給した。ここの価格は1リットルあたりでガソリンは55.29シリング(約86円)、軽油は47.19シリング(約74円)だったが、他のところに比べて軽油が3シリングほど高いらしく、ベナルドがスタンドの従業員とスワヒリ語で何かを言い合っていた。値引きでもしてもらっているのかなと思いつつ、ベナルドに何を話していたのか質問した。
「普通より高いんだからその分石鹸をくれ、と言ったんだ。結局ダメだって言われたよ」

 それから1時間ほどでナクルの町に入った。まず大通り添いのホテルでニーナとステラを下ろして、その後ロッジのあるナクル湖国立公園のゲートに向かった。ゲートに向かう途中に町の中心部を通ったが、バラック商店が立ち並ぶマーケットと人だかり、それに薄汚れたコンクリート造りの家が延々と続いていた。人ごみの中を車でゆっくり通過していると、黒人でない自分が非常に目立ってしまう。ここも治安がよくないとガイドブックに書いてあったが、車内でもその雰囲気は十分感じ取れた。
 この町の写真を一枚欲しかったのだが、マイナに「絶対に人にカメラを向けないように」と念を押された。ケニアでは特に低所得者層が写真を撮られるのを嫌う傾向がある。みすぼらしい姿を写真で残されたくないのだ。ここはあまりに人が多く、トラブルを避けるためにカメラをバッグに入れたまま通過した。

 ゲート前に到着した。ベナルドがパークレンジャーにスワヒリ語で何かを話し、しばらくしてから激しい言い争いになった。15分ぐらいやりあった後、ゲートが開いて中に入ることができたが、いったい何があったんだろうとベナルドに聞いてみた。
「ここは2つゲートがあって、ロッジに行くにはもう一つのゲートから入らないといけないと言われたんだ。でも向こうに行くのは遠回りになるんで、こっちから入れさせてくれと言ったら、『時間が過ぎているからダメ』と言われたんだ。それで『ただロッジに行くだけだから』と説明したんだけど、なかなか分かってくれなかったんだ。結局何とか開けてはくれたけど、40分以内に反対側のゲートから出ないといけない」
 かなり厳しいと思ったが、周辺の治安が悪いことを考えるとこれ位の方が安心はできる。その後道を間違えたりしたものの、ぎりぎり40分で何とかロッジに到着した。
[ 公園内の道路を歩くヒヒ ]

スポンサードリンク