英語が本当に苦手な人の英語学習法

製作: 小川 邦久

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11.発音とイントネーションの矯正


 外国人と英語で話す際に、発音とイントネーションはかなり重要です。もちろん日本人が英語を喋るのにネイティブ並みの発音やイントネーションである必要はありませんが、やはりきれいな発音とイントネーションの方が、相手に理解されやすいということは事実でもあります。


 英語圏の国の中でも、オーストラリアやニュージーランドは比較的カタカナ読みの英語の発音でも理解してくれることが多いのですが、アメリカやカナダでは発音によりシビアで、カタカナ読みをしてしまうと「Pardon?」と聞き返される可能性が高くなります。



 私は受験英語の勉強では発音、イントネーション、リスニングについては一切学習しなかったため、大学四年の英語学習再開当初にも受験英語の時の癖が残ってしまっていて、長文を黙読していてもカタカナ読みの発音がずっと頭を流れてしまっていました。特に数時間単位で本を読んだりすると、自分で話す英語の発音まで変になってしまったり、自分の中の「理解のベースになる発音」が変わってしまうためか、リスニングにも問題が生じるほどの障害になっていました。


 これを改善するためにまず手を付けたのがカラオケです。好きな英語の曲を徹底的にモノマネしました。私はビートルズビリージョエルが好きで、今でもカラオケでよく歌います。ビートルズの「Lady Madonna」の練習の際には、一字一句ポール・マッカートニーになったつもりでコピーするようにしました。英語の発音練習からは少し外れますが、声の裏返りのタイミングや伴奏と歌を微妙にずらしたりするところなども数ミリ秒単位の正確性を追求したものです。


 ただし、カラオケは楽しみながら発音の練習ができるものの、イントネーションの練習には向いていません。そこで次に手を付けたのがカセットテープやCD付きの本を買っての音読です。最初に購入したのが、在日米軍の放送局であるAFNのニュースをまとめたカセットテープ付きの本で、カセットテープの音声の抑揚に合わせながら、何度も何度も同じ文章を読むようにしました。これを何カ月も続けることで、ニュースキャスターのイントネーションの癖のようなものを掴むことができました。




 さらに、英語の雑誌や書籍などもできるだけ音読するようにしてみました。ただ、独りよがりの音読は、逆に変な発音やイントネーションを身につけてしまうリスクがあります。そのため、上記のカセットテープの学習と並行しながら、イントネーションの感覚をある程度掴んだ上で、雑誌や書籍の音読をするようにしました。発音の分からない単語は、ちゃんと辞書で発音記号をチェックした上で発音するようにしました。後年は音声付きの電子辞書やパソコンの辞書ソフトを使って、直接耳で発音をチェックできるようなり、大変便利に感じたものです。


 このような練習を「数年」積み重ねることによって、だいぶ自分の発音とイントネーションが矯正されました。黙読をしていてもそれなりにちゃんとした発音やイントネーションが頭の中を流れるようになりました。長時間英文を読んだ後でも、スピーキングやリスニングに影響することもなくなりました。


 しかし、一度慣れてしまった悪癖を取り除くのに、こんなに時間がかかるものなのかと改めて思います。