金属溶解用真空炉(真空溶解炉)の種類の違い

金属溶解用真空炉(真空溶解炉)の種類の違いについて簡単に説明します。レアメタル特殊合金製造用の炉など。

※本ページは自己学習のために作成されたもので、内容の正確性や完全性は保証しません。


・VAR炉(Vacuum Arc Remelting真空アーク溶解炉): 母材を電極(消耗電極)として、これに直流電流でアークを発生させて溶解する。鉄鋼、スーパーアロイ、チタン、ジルコニウムやその合金等で使われる。清浄度が高い。

・EB炉(Electron Beam電子ビーム炉): 母材に電子ビームを当てて溶解する。蒸気圧が高い不純物が蒸発することにより、材料の純度を高めることが可能。逆に合金の場合には蒸気圧が高い成分が抜けてしまい不向き。

・VIM炉(Vacuum Induction Melting真空誘導炉): るつぼの外側のコイルで交流の電流を流すことで、耐火物るつぼ内に磁場が発生、電磁誘導によってるつぼ内の金属に電流が流れ、金属の電気抵抗により発熱する仕組み。チタン、ジルコニウムやその合金などに使われる。合金の場合、組成の均一性が高くなる。

・ISM炉(Induction Skull Melting 誘導スカル溶解炉): 真空誘導炉の一種で、るつぼに耐火物を用いないためにコンタミのリスクが小さい。耐火物るつぼの代わりに水冷Cuるつぼを使用する。チタンやジルコニウムなどの、密度の小さい金属で使われる。

・VAR Skull炉(VARスカル炉): VAR炉のるつぼを、水冷るつぼとしたもの。



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