鉄鋼の製造方法

鉄鋼(鉄:Fe)の製造プロセス(フロー)について、簡単に説明します。鉄鉱石から製鉄。

※本ページは自己学習のために作成されたもので、内容の正確性や完全性は保証しません。


鉄鋼製造フロー:

鉄鋼ステップ1- 製鉄について
鉄鋼石をコークス(C)とともに炉に投入して、コークスを燃やす。その際に不完全燃焼で生じた一酸化炭素が鉄鉱石から酸素分を奪うと同時に、還元された鉄に炭素が入って融点を下げる。溶解鉄は炉底に沈み、そこに石灰石(CaCO3)も加える。石灰石は融点が低く軽いので、溶解鉄の上に溜り、酸化防止、不純物捕獲、保温などの役割がある。これをスラグといいう。その後、熔鉄台車で搬送する間に、脱珪(Si)、脱燐(P)、脱硫(S)などの予備処理も行う。

鉄鋼ステップ2 - 製鋼について
続いて転炉に入れて回しながら合金添加物(フェロマンガンなど)を入れる。その際に上から酸素を吹き込み余分な炭素を燃焼させつつ(ただし、やりすぎると鉄の酸化につながる)、下から不活性ガスや炭酸ガスを吹き込んで撹拌を行っている。その後、別の鍋のようなものに移し変えて、脱酸剤(Si,Al,Tiなど)を添加する。ここから高品質、高純度、特殊な鋼材では、鍋に電極を入れて合成成分を添加、脱炭、脱硫をさらに進め、O2,H2を除去するために真空脱ガス処理も行う(2次精錬)。ステンレスなどは、Crの酸化損失を防止しながら脱炭するために、アルゴンや真空など特殊な処理を行う。

鉄鋼ステップ3 - 鋼の造形
溶鋼を鋳型に注入するときに、特に低酸素鋼で凝固表面でCとO2が反応してCOを主成分とするガスが発生し、激しい沸騰現象を起こす。縁で発生するため「リミングアクション」とも呼ばれる。この出鋼時にSi、Alなどの脱酸剤を添加して、リミングアクションを沈静化する方法もあり、これで作られたものを「キルド鋼」という。リミングアクションはC、Si、Mnが多くなると起こりづらい。


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