金属製品の内部応力除去のために行う焼鈍について説明

金属製品の内部応力除去のために行う焼鈍についての説明です。

※本ページは自己学習のために作成されたもので、内容の正確性や完全性は保証しません。


■ 測定のヒント
焼鈍前のデータ:加工していないところと加工しているところの差を見る。差があれば、加工応力がどの程度掛かっているかがわかる。(差がなければ加工応力がほとんど残っていないと言える)
焼鈍後のデータ:焼鈍前の加工応力との数値の差を見る。加工しているところ以外は、そんなに下がらないと予測する。
※応力測定は、測定方法が変わると数値も変わってしまいます。そのため、数値そのものでの判断は難しく、あくまで「数値の比較」により残留応力をチェックします。
※弾性係数とポアソン比が計算項目に入っているが、これでは内部の弾性応力は計算できるものの、転移についてどのような測定結果や計算になるのか?転移による歪はポアソン比に依存しない。

転位密度(必ずしもMoには当てはまらないので注意)
よく焼きなました場合(再結晶):106cm/cm3
塑性変形を思いっきり行うと100万倍にもなる。
※内部応力がゼロになることはありえない。

粒界移動の駆動力
ΔF=ρμb2
転移の持つ歪エネルギー消滅の駆動力:ΔF
転位密度:ρ 剛性率:μ バーガスベクトル:b
※転移が多いところほど消滅が早い。逆に転移が少ないと消滅が遅い。

電解研磨による表層の内部応力
※電解研磨により表層が削られます。そのため、電解研磨後は、加工によるごく浅い内部応力は検出されなくなる可能性もあります。板内部に残っている内部応力 は、電解研磨後でも検出されます。ドリル加工でスムーズに行くと応力はほとんど発生せず、歯が悪い場合などは、奥まで行くものと推測されます。

変形の向き: 同じ向きに曲がるのか、特に傾向がないのか。
変形場所の傾向: これがわからないと、測定個所をしぼれない。
変形ロット頻度の傾向:ある電極が変形するのか、あるロットのものが変形するのか、全体が変形するのか。
使用温度:850℃を超えるようなら、焼鈍温度を上げる必要がある。しかし再結晶には注意。

・残留応力による変形は、加工個所など内部応力が蓄積されるところで発生します。しかし、今までにご返却いただいた製品については、「外周の突き出た部分の折れ」など、加工部分ではない場所に発生しています。
・焼鈍温度より高い温度で使用されている場合には、変形の可能性があるため、焼鈍温度を上げる必要があります。例えば1100℃で使用される加工品は、加工後に1100℃で焼鈍します(もちろん再結晶します)。しかし、ご返却いただいた製品については、再結晶が見られないため、それ程使用温度が高くないものと思われます。
・焼鈍の熱が伝わりづらい構造の場合、熱が伝わりづらい個所の加工応力が残る可能性があるかも知れません。しかし、本製品は多くの穴が空いていて表面積が大きく、また一枚板のため熱伝導も良いため、逆に焼鈍の熱が伝わりやすい構造であると言えます。
・焼鈍温度に異常があれば(設定温度が低すぎるなど)、加工応力が残る可能性があります。しかし、記録されている焼鈍データでは、今まで本製品の焼鈍温度に異常は見られません。
・焼鈍のパラメータに異常があれば、加工応力が残る可能性はあります。しかし、他の加工品には異常は見られません。

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