耳栓を多重に装着し、さらにイヤーマフを付ければ、無音状態になるのでしょうか?最強の遮音性(防音)に挑戦してみました。
1. 実験に必要なもの
フォームタイプの耳栓(1ペア)、シリコンタイプの耳栓(1ペア)、イヤーマフの3点が必要になります。
※今回での実験では、以下の耳栓とイヤーマフを用いました。
2. 耳栓及びイヤーマフの装着手順
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まず、フォームタイプの耳栓を、耳の奥までしっかりと挿入します。 | | 続いて、シリコンタイプの耳栓を覆いかぶせるように耳に入れて、耳全体を密閉します。 | | 最後に、イヤーマフをずれないように付けて、実験準備完了です。 |
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3. 実験結果
- 普通の声量で話をされても全く聞こえない。近くで大声を出してもらうか、少し離れた所でも高い声で大声を出してもらうかすると聞こえる。
- テレビの音は周りの人が「うるさい」と思える音量になって、ようやく少しだけ音が聞こえてくる。ただし、このレベルでもテレビの中の人が何を喋っているかはわからない。
- 窓を閉めた状態では、外を走る車、バイク、電車の音は全く聞こえない。
- ドアやクローゼットの開け閉めの音は「バン」と聞こえる。
- 床を普通に歩くような足音は聞こえないが、振動で歩いていることがわかる。
- ペンなど固いものをテーブルに落とした時の音ははっきりと聞こえる。
- 紙をくしゃくしゃにした場合のペーパーノイズは聞こえる。
※ちなみに、耳の穴にしっかりとフィットするフォームタイプの耳栓とシリコンタイプの耳栓、それにイヤーパッドが厚めのイヤーマフであれば、どのような種類でも同じような結果が得られました。男性、女性の差もありません。
結論: 耳栓2重+イヤーマフでは、非常に高い遮音性は得られたものの、完全な無音状態にはできませんでした。あるレベルを超える大きな音量や、ドアやクローゼットの開け閉めや何かを落とした時の衝撃音はしっかりと聞こえてきます。これは、ある音量を超えると耳栓やイヤーマフだけでは音を遮れず、音が身体(顔の皮膚や肉や骨)を通って鼓膜に達することもあるためと思われます。
4. 本実験の実用性について
シリコンタイプの耳栓を装着することで、耳の穴が非常に蒸れやすくなります。
睡眠時など、本実験で行ったような状態のまま長時間いると、フォームタイプの耳栓が水分でダメになってしまったり、最悪の場合には耳の内部に炎症を起こすリスクもあります。そのため、たとえ遮音性が高くても、長時間の耳栓多重+イヤーマフの装着は避けるようにしてください。シリコンタイプの耳栓は使わず、フォームタイプの耳栓+イヤーマフの組み合わせが、遮音性の高さと実用性のバランスが取れていると思います。