薄膜生成方法(真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタ、CVD)の違い


※本資料は個人の学習用として制作されたものであって、内容の信憑性については保証しません。


■ 薄膜生成方法の違い

※原子または分子は音速から音速の数千倍のスピードで飛ぶ。(スピードは薄膜技術の違いによる)

真空蒸着:蒸発材を融点まで加熱し、蒸発させて飛ばす方式。主に研究用と一部生産に用いられる。飛ぶ粒子の大きさは100万分の0.3ミリ程度。

イオンプレーティング:蒸発材をプラズマ化して(高周波コイルなどを用いる)、基盤に負の電圧をかけて、高速に加速したイオンを激突させる。蒸着材の基板突入時のエネルギーが蒸着の何万倍もあり、さまざまな改善の試みが可能。主に研究用と一部生産に用いられる。

スパッタ:アルゴンなどを放電してプラズマ化して、薄膜材料の板に激突させ、これの原子や分子を跳ね飛ばす技術。跳ね飛ばされた原子や分子は蒸着の50倍程度のスピードで飛んで行き薄膜となる。ターゲットの板が大きくできて、膜の分布が良くなり、長く使えることから連続量産に適している。主に量産と研究用に用いられる。

気相成長(CVD):Siの薄膜を作りたいときなど、シラン(SiH4)を数百度の高温に加熱した基板の表面に送り、熱分解、酸化、還元、置換などの反応を繰り返して薄膜を作る技術。プラスチックなど、熱に弱い基盤には使えない。主に量産と研究用に用いられる。


■ 真空にする理由

不純物が入り込まないようにすること、ソースが途中で酸化や窒化されないようにすること。
基板に到着した期待は、そこで急速冷却されて、液体→固体となり、薄膜になる。この急冷のせいで、膜は多くの欠陥を内包することになる。


■ 薄膜加工の用語

MBE:分子線エピタキシーの略。超高真空中において物質を加熱(電子銃など用いる)し,蒸発昇華により気相として基板上に供給し,結晶成長を行なう方法である。

MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition):有機金属気相成長法。半導体レーザ等の生産に用いられている化合物体の薄膜成長法。

密着露光:マスクとウェハとを密着させた状態で露光するものである。

近接露光:マスクとウェハとを近接させた状態で露光するものである。

投影露光:マスクとウェハの間に光学系(レンズ)を配置して、マスクの像を縮小、等倍、拡大して露光するものである。




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薄膜生成方法(真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタ、CVD)の違い
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真空の定義

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