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日本人なら必ず誤訳する英文

名前: 小川 邦久 リンク: https://kunisan.jp 日付: 2019年4月20日
日本人なら必ず誤訳する英文アマゾンのレビューを見て、「日本人なら必ず誤訳する英文」という本を買ってみました。Kindle本です。日本人にとってなかなか理解の難しい文章が100以上掲載されていて、実際に私が読んでみても「ん?」というものが多かったです。初見で半分程度理解できましたが、残りの半分はほぼ誤読例の通り間違って読んでしまいました。

誤読をするケースとしては以下のパターンがあります。
1) 見慣れた単語を違う意味で捉えないといけない(例 grave: 重大な、an additional helping: おかわり)
2) カンマの位置による意味の違い
3) 否定形(例 not in the least: 全く~ない, not least: とりわけ)
4) 不定詞・動名詞(例 forgot to lend: 貸し忘れた、forgot lending: 貸したことを忘れた、stop to think: 考えるために立ち止まる、stop thinking: 考えるのを止める)
5) 倒置文(強調、否定など)

先日の英文契約書の解説本でも関係代名詞やカンマが複数ある長い文章がいっぱい出てきましたが、この本に出てくる文章もそれに負けずに読みづらい文章ばかりでした。本書ではこういった文章を「悪文」と表現していますが、実際には小説やSNSのコメント欄などでも悪文を目にすることが多く、そういった文章を読みこなすためにはこの本は良いトレーニングになると思いました。

各章の終わりにある著者越前氏へのインタビューも、英語学習者には大変参考になるものと思います。その中でも書かれていますが、「二度読み」をすることで文章の理解が深まりますし、それを色々な文章で経験することで誤読した場合の違和感を感じるようになり、自分で解釈の修正に進められることもあります。悪文をしっかりと理解するにも、やはり読書の経験値が大事になってきます。

ただ、「正しく訳せないものは絶対に理解できていないと思います」と書かれている点については、言葉を自由に操れるプロの翻訳家目線の意見かなと思いました。個人的な見解では、確かに「正しく訳せない」のは正しく理解していない事が多いものの、「理解したイメージをうまく言葉に変換できていない」ケースもあるのではないかと思っています。受動的な理解力はあるものの、(英語・日本語を問わずに)文章を書くのが苦手な人も多く、やはり一概に「正しく訳せないもの(正しく言葉にできないもの)は、理解できていないこと」というのは、英文に限らずあまり決めつけない方がいいと考えています。

いずれにしても本書は英語の理解力アップには大きな力になると思っていますが、私個人では相変わらず語彙力不足でひっかかってしまうところもありました。以下、本書の中で「ぱっと見で理解できなかった」または「間違って読んでしまった」単語一覧です。

a score of ~: 20の~、absent-minded: 忘れっぽい、an additional helping: おかわり・もう一杯、aesthetics: 美観・美学、after all: 何と言っても・やはり、aloud: 声を出して、apparent: 見かけ、bewilder: 困惑させる、black powder: 黒色火薬・弾薬、bothersome: やっかいな・煩わしい、bump: ぶつかる、clear A of B: AからBを取り除く、computed tomography: コンピューター断層撮影(CT)、contemporary: 同時代の人、convention: 習慣・因習、decimal expansion: 小数展開、distinctly: 明白に・明らかに、eccentric conduct: 奇行、fling: 投げる・投げ飛ばす、forgot ~ing: ~したという事実を忘れる、furrow: しわを寄せる・(風が)波を立たせる、get across: (考えなどを)伝える、gotta go: (口語で)まっぴらだ、grave: 重大な、heartsick: 暗く沈んだ、household product: 日用品、humility: 謙遜・謙譲、hundreds' place: 100の位、hundredth' place: 小数第2位、if not more: それ以上とは言わないまでも、imperative: 必要がある・必須の、in (five years): ~(5年)経ったら(未来形と共に使われる場合)、in fact: それどころか・もっとはっきり言えば、inscrutable: 不可解な、keep ~ up: ~を元気づける、leave nothing to be desired: (主語)は非の打ちどころがない、measure: 水準・基準、not ~ in the least: (強い否定で)~でない、not ~ possibly: (強い否定で)~でない、not a few: 少なからず、not least: (強い肯定で)とりわけ、open cut: 開いた傷口、oyster bed: カキの養殖場、patronage: 支援、peculiarity: 風変りな点・奇癖、pine pitch: 松やに、pitiful: 痛ましい・哀れな、pittance: わずかな収入(通常は単数形)、prey: えじき・虜、prominence: 目立つこと、provocation: 挑発、prow: 船主、reconstruct: 再現する、reservoir: 貯水池、resort to: 訴える・頼る、road crew: 道路工事の人々(集合扱い)、rock drill: 削岩機、scientific novel: SF小説、security: 担保・抵当、see to: 配慮する・気をつける、sentiment: 情緒・情趣、sleeping car: 寝台車、small wonder ~: ~は疑いない・~について疑問はない、spray: しぶきを飛ばす、stop to think: 考えるために立ち止まる、subject: 被験者・患者、subordinate: 従属させる、tens' digit: 10の位の数字、tens' place: 10の位、ten-thousandths' place: 小数第4位、tenths' digit: 小数第1位の数字、tenths' place: 小数第1位、the most unattractive: どんなに地味な、thoroughness: 完全なこと・徹底的なこと、thought: 物を考えること、tomogram: 断層写真、unjust: 不当な、what goes into ~: ~の原点・原因、whole number: 0以上の整数、young: 若い・幼い(3歳児など)





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