ナンセンスな物語(23)-スマイリーの死

 今年の夏にペットショップで購入したコクワガタのオスが、昨日の朝死んでいた。死因は今のところわかっていない。

 僕はこのコクワガタにスマイリーという名前を付けた。なぜなら、僕の顔を見るといつも微笑んでくれたから。でも、もうその笑顔を見ることはできない。

 昨晩は悲しみを紛らわそうと、バーで友人と深酒した。飲んで、飲んで、そして吐いてしまった。それでも悲しみは消えなかった。

 仕事の調子が悪いときには、夜スマイリーにつらく当たってしまうこともあった。それでも彼は微笑を絶やさなかった。スマイリー、悪かったな。もう気を使うことなんて無いんだよ。


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