ナンセンスな物語(9)-有機栽培のキャベツ

 キャベツ栽培が得意な花田さんの農園では、以前から肥料として人糞を使っている。自宅のくみ取り式便所から直接桶に入れて、ひしゃくを使ってまき散らしているというから筋がね入りだ。ちなみに、ほとんどの人糞は花田さん本人のものとのこと。

 畑にまくのは人糞だけではない。野良犬や野良猫やカラスもここを便所代わりに使用している。キャベツの生育ためにも、色々な種類の糞尿が混じっていた方がいいのだろう。化学肥料なんて一切使う必要がない。

 花田さんの農園では、農薬だって一切使っていない。農薬を使わないメリットとしては、罪の無い生物を殺傷しないこと。青虫もキャベツを食べて、最後には蝶として羽ばたいていく。ぎょう虫だってキャベツに卵を産み付け放題。そんな農園だ。

 「一度有機栽培の野菜を体験すると、もう農薬や化学肥料を使って栽培した野菜は食べられないですね」と花田さん。

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