ナンセンスな物語(3)-スターシップクルーズ

 地球から既に二百兆マイルも離れたんだ。そう思うと、今までやって来た道のりの果てしなさを実感する。我々のスターシップは銀河系の中心部に向かって、なかなか洒落こんだスピードで進んでいる。

 通路の横にあるいくつもの丸い窓からは、宝石を散りばめたように星が見える。でも、これだけの数の宝石を集めるにはいささかコストがかかりすぎるので、現実的には無理な話だと思う。

 昔アインシュタインが導き出した数式が、まさにこの世界を形成していると体感できるのがこのスターシップクルーズだ。時間と空間の歪みさえも許容してしまう、心広き大宇宙。この感動を是非世界の人々と分かち合いたい。

 ウィー・アー・ザ・ワールド。また素晴らしい言葉が頭をよぎった。

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