カナダ エドモントン(Edmonton) VIA鉄道旅行日記


1995年11月23日(木)〜24日(金)
行きの列車で

 列車のバンクーバー出発予定時刻は午後の8時。でも「エドモントンへ出発する」というのを口実に、木曜日は学校を丸々サボった。なんとなく行きたくなかったのだ。
 午後8時の定刻通り列車はバンクーバーを出発した。
 車内はなかなか快適で座席は思いっきり倒せて足もまっすぐに伸ばせるぐらい広かった。飛行機のエコノミークラスよりは断然いい。
 夜の12時ちょっと前ぐらいに窓の外を眺めていたら、眼鏡をかけた中年のおばさんがやって来てこんなやりとりがあった。
"Why are you sitting here?"(何であんたここに座ってんのよ)
"Pardon?"(何ですか)
"Why are you sitting here? This is my seat."(何でここに座ってんのよ。ここ私の席よ)
"This is what?"(ここが何ですって?)
"This is my seat!"(ここは私に席!)
"No, this is mine."(ここは僕の席ですよ)
"And this is my ticket!(座席の上に留めてある切符を指差して)"(それにあれ私の切符でしょう!)
"No, this is mine. And this is my bag.(棚の上のリュックを指差して)"(違いますよ、僕のですよ。これも僕のリュックですよ)
"Where's my bag?!"(私のバッグはどこよ!)
"I don't know. I've been sitting here."(知りませんよ。僕はずっとここにすわってましたよ)
"Ah, this is the wrong train..."(あら、違う車両だわ…)
 結局このおばさんは一言も謝らずに行ってしまった。こういう人は日本にもたまにいる。
 よるはだいたい2時ぐらいに寝たと思う。よく覚えていない。
 朝9時に起きてホットドッグとコーヒーの朝食を取る。明るくなってからの外の景色は見事の一言だった。「世界の車窓から」の現実版である。とにかく写真を撮りまくった。
 車内で韓国人の旅行者2人とトロントでワーキングホリデーをしているという日本の女の人と出会う。話し相手ができたおかげで、ずいぶんと暇な時間が潰せた。
 エドモントン時刻の午後8時、時差を計算に入れて23時間かけてエドモントン駅に到着した。
 駅構内から「地球の歩き方」の乗っているB&B(Bed and Breakfast)に電話をかけて、空き部屋の確認をし、タクシーに乗り込んだ。
 タクシーの運転手はレバノン出身のおじさんで、ものすごく陽気な人だった。B&Bに着くまでの20分間、実のない話で盛り上がった。


バンクーバー駅で出発前の列車
ただでさえ長い編成なのに夏はこの2倍になるとか。


ジャスパーで
車内清掃のため、1時間程列車が止まった。


車窓から(1)
野生のヘラジカ。


車窓から(2)
ロッキー山脈を前方に。


車窓から(3)
山の形が歪なのがいい。


車窓から(4)
いかにも寒そう。


車窓から(5)
外には出たくない。


1995年11月25日(土)
ウェストエドモントンモール(West Edmontom Mall)

 朝、B&Bオーナー夫妻の娘のアネットさんに、車でウェストエドモントンモールまで送ってもらった。気温はマイナス11度で雪がちらちらと降っていた。
 ウェストエドモントンモールと言えば世界一大きいショッピングモール。前もって「地球の歩き方」を読んでおいたので、大きさについてはだいたい想像していた通りだった。昭島のモリタウンを横に8つ並べて、立川グランドホテルとサマーランドとパットパットゴルフをくっつけちゃったような感じである。実際にモール内にホテルも波のプールも遊園地もミニゴルフコースもちゃんとある。
 モール内を何も買わずにしばらくうろついて、それから市バスでダウンタウンに行った。「地球の歩き方」に「エドモントンは歩いていてもあまり楽しくない街」と書いてあるが、全くその通りだと思う。夏はどうなのかはわからないけど、冬は寒くて日が暮れるのが早くて、観光にはちょっと、という感じである。
 寒かっただけの市内観光を終えて、帰りのバスを降りた後、道に迷ってしまった。日もどっぷりと暮れたマイナス15度の中、1時間もさまいよい続けてやっとB&Bに辿り着いた。


B&Bのオーナー夫妻と
左がポールさん、右がスーザンさん。


ウェストエドモントンモール(1)
外観。写真の右端から左端まで一つ屋根の下。


ウェストエドモントンモール(2)
ホッケーの練習場になったりもする。


ウェストエドモントンモール(3)
波のプール。


ウェストエドモントンモール(4)
海から800km離れたここにも船がある。


ウェストエドモントンモール(5)
ループ型のジェットコースターもある。


1995年11月26日(日)
エドモントンスキークラブ

今朝の気温はマイナス15度。ダウンタウンに行くのに20分間バス停で待たされて凍え死にそうだった。
 今日のメインイベントは何と言ってもスキーである。スキー場の名前はエドモントンスキークラブ(Edmonton Ski Club)。名前からして規模が大きくないのがすぐにわかるが、実際に全長70〜100mぐらいのコースが横に5つ程並んでいるだけのミニスキー場である。リフトは全てJバーリフトで、チェアーリフトは1つもない。一番びっくりしたのが1日リフト券がスキー3点セットのレンタル料込みで、たったの10カナダドル(約700円。1995年11月当時)だったことだ。日本ならラーメン一杯で1000円なんていうスキー場があるけど、ラーメンより安いリフト券なんて今まで聞いたことがない。千葉のザウスよりコースは短いけど、だらだらした斜面がないのと、天井がなくオープンなぶんザウスよりましだと思う。来ているのはほとんどが子供で、ガンガン滑るような上級者は一人も見かけなかった。そういう人はバンフやウィスラーに行くのだろう。スキーズボンはB&Bのオーナーのポールさんが貸してくれたものを使った。ジャケットはバンクーバーから着てきたものをそのまま使い、ゴーグルは無しだった。板は180cmと自分にしては少々短めだったがまあ大丈夫だった。ところがブーツが問題で、前傾姿勢を大きくとると左足のバックルが外れてしまうという欠陥があった。コブ斜面があるわけでもないしまあいいか、と思いそのまま続けていたが、終わりまでの1時間に計3回外れた。
 スキーを終えてからウエストエドモントンモールで時間を潰した。他の観光ポイントに行けないこともなかったが、今回はビクトリアに行った時と違い、そんなにいろいろな所に行きたいという気がおきなかった。寒すぎるというのもあるけど、博物館や政府の建物にはもう見飽きたというのが正直なところだ。
※この旅行の1ヶ月前に行ったビクトリアでは、「地球の歩き方」の載っている観光名所に片っ端から行った。そのほとんどがたいしたことのないものだった。


スキー場のトップから
向こうに街の中心部が見える。


スキー場のベースから
見ての通りのミニスキー場


1995年11月27日(月)〜28日(火)
帰りの列車で

 朝7時半頃、ポールさんに駅まで送ってもらう。気温はマイナス17度。寒いことは寒いのだが、寒さそのものに驚くようなことはもうなくなった。
 列車は30分遅れでエドモントンに到着した。東京では人身事故でもない限りこんなことは考えられないが、週に3本しかない鉄道が30分遅れたところでどうってことない。聞いた話では5〜6時間遅れることだってあるという。
 外の景色は行きとはまた違う感じできれいだったけど、少々疲れていたせいか何回かうとうとと眠ってしまった。
 バンクーバーに着くまでの24時間、特に変わったことはなかった。正直なところ、帰りは飛行機の方がよかったかなと思った。何しろ飛行機の方が早くて安いのだ。


車窓から(6)
こんな所にはあまり住みたくない。


車窓から(7)
いかにも「冬のカナダ」という風景。


車窓から(8)
全面凍結した湖。


カナダを知るための60章 (エリア・スタディーズ)
カナダを知るための60章 (エリア・スタディーズ)

ホームへ




Copyright (C) 2008 KUNISAN.JP. All Rights Reserved.